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それからあたしが不器用に差し出したお茶を明音はすすった。


そして少し落ち着いた頃。


あたしは明音からいきなり質問された。


「茜はさ、貴之くんのこと
どう思ってるの?」


突然すぎて、お茶をふき出しそうになってしまった。


「い、いきなり!?」

「そろそろ素直になれば?」

「勝手なこと言わないで」

「クリスマスの時は2人とも
いい雰囲気だったくせに…」


明音の発言にハッとした。


あの時、不覚にも記憶のないあたし。


仕方ないけれど、明音に知ってることを教えてもらうしかない。


「あの時、
あたし何してた?」

「え?記憶にないの!?」

「…う、うん」


明音は呆れかえった後ゆっくりと話してくれた。


思わず、絶句してしまった。


「あたしが
貴之にもたれかかってた…!?」

「うん、腕も絡ませてたし、
頭もうずめてたよ?」

「…最悪」


みるみる蒼白になる。


あの日のことは闇に葬り去りたいよ。