AKANE -もう一度、逢いたい-




***


隣でドサッと音がした。


俺に寄りかかるように茜が寄り添っていた。


その突然さに驚き、何も言えなくなっていしまった。


一瞬、彼女はまた倒れたのかと思った。


けれど、よく見ると彼女は頬を赤く染めている。


そして優しく笑っていた。


普段見られないほどの満面の笑顔だった。


しかし俺は戸惑いを隠せなかった。


「…えっと……茜…?」

「んん?」


茜は斜め45度の角度から覗き込んできた。


これが、よりかわいく見える角度だと言うのだろうか。


「あ、これ飲んだからか」


蒼次は冷静に呟く。


「なんだよ!?」

「陽平がこっそり
持ってきてた酎ハイ」


蒼次は空になっていた缶を振って見せた。


「陽平!!」

「マジで俺のせいかよ!?」


みんなが頷いたのは言うまでもなかった。


「仕方ない。とりあえずベランダで涼ませた方が良いだろうな」

「それがいいだろうな」


蒼次と陽平は同調するのだった。