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隣でドサッと音がした。
俺に寄りかかるように茜が寄り添っていた。
その突然さに驚き、何も言えなくなっていしまった。
一瞬、彼女はまた倒れたのかと思った。
けれど、よく見ると彼女は頬を赤く染めている。
そして優しく笑っていた。
普段見られないほどの満面の笑顔だった。
しかし俺は戸惑いを隠せなかった。
「…えっと……茜…?」
「んん?」
茜は斜め45度の角度から覗き込んできた。
これが、よりかわいく見える角度だと言うのだろうか。
「あ、これ飲んだからか」
蒼次は冷静に呟く。
「なんだよ!?」
「陽平がこっそり
持ってきてた酎ハイ」
蒼次は空になっていた缶を振って見せた。
「陽平!!」
「マジで俺のせいかよ!?」
みんなが頷いたのは言うまでもなかった。
「仕方ない。とりあえずベランダで涼ませた方が良いだろうな」
「それがいいだろうな」
蒼次と陽平は同調するのだった。

