AKANE -もう一度、逢いたい-



どうせ、あたしは料理できない。


イライラは募るばかりだ。


ねぇ、本当にあたしの事が好き?

からかってるんじゃない?


あたしを守りたい、救いたいって言ってくれたのは嘘?

それとも本心?


2人の関係は何もないと心の底では分かってる。


でもね、心が痛むんだ。

チクチクして、ムカムカしてしんどいよ。


今までこんなこと思ったことないのにね。


頭に血が昇った。


あたし、どうしてこんなにも貴之に対してイライラしているんだろう?


どうして、さっきからずっと彼ばかり見ているのだろう?


どうして、あなたばかり目で追ってしまうのだろう?


あたしはまた自分の気持ちが分からなくなった。


(…何よ。どうせ、
あたしはあたしよ…)


あたしは近くにあったコップの飲み物を飲み干した。

グビグビッと一気飲みにした。


なぜだろう、クラッとした。

そして気持ちよくなってフワッとした。


体がフワフワして、変な感じがし始める。


今、何が起きているのか全く分からない。


あたしは何者なのかも分からない。

何をしているのか分からない。


それほど、心がフワフワして気持ちいい―――…。


そのまま、あたしの意識はなくなった。