「だったら明音に頼めば?」
あたしは全く気にせずに、チキンにかぶりつく。
「確かに明音ちゃんなら
してくれそうだなぁ」
そこに貴之も同じように食いつき始めた。
「明音ちゃんならケーキも
作ってもらえそうだよなぁ」
貴之の何気ない一言だって分かっていた。
みんなが言うように明音ならそうするだろう。
もちろん、何もかも手作りで暖かい料理で出迎えてくれるだろう。
比べてあたしはただ食べ続けるだけ。
全く女っ気を感じさせない。
蒼次や陽平が言うだけなら普通に流せる話だ。
でも、なぜだろう。
ムカムカする。
貴之が言うからだろうか。
イライラする。
女っ気なんて必要ないのに、何かしないとと思えてならないんだ。
そんな明音の話をする3人がデレデレして見えた。
何よ、デレデレしちゃって。
貴之は明音のことは振ったって言ってたけど、本当なの?
あたしはイライラしていた。
どうして?
あんなに嬉しそうな顔してるのよ。
やっぱりそういう子がいいんでしょ?
女の子らしい、かわいい子がいいんでしょ?

