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そして、ついに12月に突入した。


俺たちの距離は確実に縮んでいた。


けれど、別れの足跡も確実に近づいていたんだ。


俺たちは自分にいっぱいいっぱいで、まだ何が大切なのか分からなかったんだ。



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「貴之!蒼次!!」


登校すると、すぐに陽平は俺たちに駆け寄ってきた。


そして楽しそうに提案した。


「みんなで
クリスマスパーティーしよう!」

「「はぁ!?!?」」


俺と蒼次は突然のことで声を合わせて驚いた。


それが今回のきっかけだった。


なんとなく陽平に説得された俺たち。


駄々をこねた陽平の勝利だったのは言うまでもなかった。


そして俺たち3人は茜の教室に来ていた。


提案したきっかけは花火大会のパート2をしたいからだと言う。


しかし俺はそれだけじゃないと思う。


明音ちゃんと過ごしたいってこともあるだろう。


でも、それだけじゃない。


なぜならそれは、この前、蒼次が俺たちに言ったことが発端だった。