“あかね”


君を好きになって、君を愛せて俺は幸せでした。

だから、そんなにも悲しそうな顔をしないで。

君に罪悪感はない。

責められるようなことは何1つしていないから。


ただ俺の死ぬ運命は始めから決まっていたんだ。

できるなら、ときどきでいいから俺のことを思い出してくれるなら何も言わない。

ただ幸せに生きて欲しい。


それだけが俺の唯一の願いでわがままだ。



“あかね”


今、心の底から笑っている?

なんか心配だな。

いつも無理してるとことかあるしさ。

でも俺が傍にいてるほうがウザイか。


…なんだろう。

変な感覚だ。 


あっ!

もしかして記憶が戻っているのか!?

これっていわゆる走馬灯って奴かな!?


夢でも走馬灯でもなんでも構わない。

せっかく見ることが出来るなら、君と過ごした青春に戻してもらえないかな。


これからの君を一番隣で見守ることを許されない俺を。


あぁ、戻っていく…。

少しずつ、少しずつ…。


やっぱり俺、死ぬんだ。


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