***


俺はあの時、本当に辛かったんだ。


同時に本当の君を感じた気がしたんだ。


君は今、どうしているだろう。


俺がいないことを悲しんでくれているのだろうか。


それともせいせいしたって言うのかな。



茜は冷たいフリをして、本当はかわいいよね。


これがツンデレって言うのかな。


俺は過去も含めて、今の君が大好きだよ。


愛しているよ。


ずっと、ずっと…。



でも、もう君にささやいてあげられない。


さっきから何度もそう確信するたびに、胸が痛むよ。


そして映像だけが淡々と流れて、こぼれ落ちて行くんだ。



***



俺はあの日の帰り道、茜を家まで送り届けた。


その後に一緒に送っていた明音ちゃんに話を切り出したんだ。


「あのさ…」

「……はい」


きっと明音ちゃんも覚悟が出来ていたと思う。

というか分かっていたはずだ。