「変わらないよ。だって今までの全てが茜だ。そしてこれからもずっと茜だから」

「でもね、
あたしがお父さんを…」

「殺してない。
茜は何も悪くない」

「でもね…」

「悪くないよ」


俺は何度も繰り返し言う。


「茜はひとりじゃない」

「でも…」

「違うよ、茜は
お父さんに守られたんだから」

「ひとりじゃない」


俺はまたくり返し言い聞かせた。


「俺、ずっと待ってる。
笑ってくれるまで、ずっと」

「一生、笑わないかも…」

「笑ってくれるまで隣にいる」

「どうして?」


茜は俺に疑問を投げかけた。


なぜかって?

理由は1つしかないんだ。


「茜が好きだよ」


そして俺は茜をギュッと抱きしめた。


茜は放心状態で戸惑っているようだった。


俺は茜の耳元でささやく。


「茜を愛している」


俺は何度も分かってもらえるまで同じ言葉を繰り返す。


スルリと茜の目から暖かい涙がこぼれ落ちた。