俺は明音ちゃんの腕を振り払う。

そして駆け寄った。


「茜!」

「茜!?」


裕人も明音ちゃんも同じように駆け寄った。


彼女の息は荒く、鼓動も速く動いていた。


「ハァハァハァハァハァ…」


茜はその場から動けなくて息も荒く、手足が痺れ始めているようだった。


この症状を俺は知っている。


「これって…」

「あぁ、過呼吸だ」


裕人も分かっていたのか呟いた。


俺は明音ちゃんに向かって言う。


「明音ちゃん、
なんか袋を用意して!」

「あ、うん」


明音ちゃんはすぐにスーパーの袋を持ってきてくれた。


「ハァハァ
ハァハァハァハァハァ…」

「ゆっくり、深呼吸して」

「落ち着けよ…」


俺たちは茜の背中をゆっくりとさする。


それでも一向に落ち着く様子はなかった。


体も痺れ始めていた。


そこに1人の女性が飛び込んできた。


「どいて!!」


そしてすぐ傍らに座ると、ゆっくりと深呼吸するように促す。