AKANE -もう一度、逢いたい-


***


私はやっと茜ちゃんの家に着いた。

ここまで結構、時間がかかってしまった。


そしてドアの前で何度もドアを叩く。

痛くても叩いた。


ドンドンッ


「茜ちゃん!」


ドンドンドンッ


「茜ちゃん!!」


何度呼びかけても出てきてくれない。


バンバンバンッ


手が痛くなっても諦めずに叩き続けた。

私は、もうぼろぼろに疲れてしまっていた。


「茜ちゃん、
お願いだから出てきて」


それでも返事はない。

しんどくて、その場にしゃがみ込んだ。

でも話すことを止めなかった。


「お願い、試合を観に来てよ。
茜ちゃんじゃなきゃ…」


涙が頬を伝う。

ほかの誰でもない。

茜ちゃんじゃなきゃダメなんだ。


グスッ…

うっ…うっ……


そこに電話がかかってきた。

私は涙声のままその電話に出た。


「…もじもじ?」

『明音?』

「うん…」

『あのね、さっき
点数決められちゃったよ!』

「…分かった。ありがとう」


そう言って、一方的に電話を切った。