「美沙?」 わたしの問いかけに首をかしげる彼女。 最近はほほえみ返してくれるほどになった。 そのたび嬉しくて、ついわたしも微笑んでしまう。 「おい、ニヤけてるぞ。」 「そ、そんなこと…」 彼はいつだって意地悪だ。 美沙が意識を取り戻してからもう半年が過ぎた。 三年間も眠っていたんだからさすがに元通りの美沙ではない。 でも特に目立った後遺症はなくて担当医も驚いてるくらい。 わたしたちの失った希望は、再びよみがえった。