いとも簡単に担がれたことを根にもっている私はありがとうも言わずに、ふん!と明後日の方向を向きながらリムジンを降りた。 私が逃げるとでも思ったのか、男の子はすぐに私の隣に姿を現す。 もちろん安全な距離を保って。 「もしもし。俺。うん。今ついた。うん。はい。」 誰かと携帯で話をしているもよう。 しばらくして、彼は電話を切って私に声をかけた。 「じゃぁ麻布さん。ついてきてください。」