僕の可愛いお姫様

「おい…し、よ…。」

定まらない視点で、彼を捉える。
彼の向こう側が、見える筈もないのに、
それでも私は繰り返し、「彼」ではない「彼」を探し続けていた。

もう二度と、戻らない日々を。

虚ろな瞳に、微笑む悪魔。

定まらない瞳の先を、さっきまでの眠りのせいだと思えばいいのに…。

「その瞳に俺以外を映しちゃいけない。その声で俺以外の名前を呼んじゃいけない。その指で俺以外に触れちゃいけない。その姿を俺以外に見せちゃいけない。

君は本当に、悪い子だね。

あと何日…お仕置きが必要かな?」





今はもう無い金属が、冷んやりと躰を支配していく感覚。

あなたの微笑みが、氷の様にゾクリと支配して、私は此処から動けない。