僕の可愛いお姫様

彼が私に「良い子」でいる事を望んでいる以上、ソレに忠実になるに越した事はない。

彼を怒らせてしまっては、終わりだ。

そっと、自身の頬に触れる。
あの時の痛みを、まだ憶えている。
彼の、哀しそうな顔も。
そうさせてしまったのは、私の「言葉」だ。

大嫌い…。
そんな筈はない。
けれど、目の前に居る彼が「大好きだった彼」に見えなくて…。

頬を押さえたまま、強く決心をする。

必ず此処から出る。
もう一度、あの日々を取り戻してみせる。