僕の可愛いお姫様

私がいけなかったのか、彼がいけなかったのか、もっと他の「何かが」いけなかったのか、考えても考えても解る事は一つもなかった。

恐らく何処かですれ違ったのであろうお互いの感情に、そしてその原因になったのであろう言動に、この追い詰められた状況では判断が及ばない。

もしかしたらもう一生このままなのかもしれない。
少しずつ大きくなる落胆と恐怖、そして悲しみ。

ゆっくりと首を動かして見た、見慣れた棚の上に、もうアノ写真を見つける事は出来ない。

先日、その写真立てを床に叩きつけた彼は、見て解る程の冷気を纏い、とても冷静な目をしていた。

思い出も、その四人の誰もが変わる事なく持っていると思っていた「大切」の感情も、その壊れていく音に恐怖した。

それなのに冷静なままの彼の目の奥に、背筋がスッと冷えていくのを感じていた。

何が彼を狂わせたのか。
私がいけなかったのか、彼がいけなかったのか、もっと他の「何かが」いけなかったのか。

私の何が、いけなかったのか。

考えて、考えて、だけど出てくるのは涙だけだ。