僕の可愛いお姫様

「梅雨李は…大丈夫なの…?」

「今は、ね。」

「そう…解ったわ。迎えに行く!」

自身の口元がニンマリと、横に伸びるのを自覚した。
物分かりの良い、賢い女。
さすがだよ、莉世。

「ありがとう。
俺は梅雨李に外に出る様、説得しなきゃいけない。
まだ少し…怖がってるから。

そうだな…三日後。三日後の正午に、俺の部屋に来てくれないか?」

「解った。三日後に。
…でも何で梅雨李、そこに……ず、み…」

プー…プー…プー………。

俺の耳には、電話の終了を告げる音だけが聴こえていた。

余計な事は言わなくていい。
君はただ、俺にとって必要な、賢い女でいてくれればいい。

スマホをポケットにしまって、大きく息を吐いた。

今日は、梅雨李が大好きなご飯を作ろう。