僕の可愛いお姫様

メールが三件。
躊躇無く、メールマークのアイコンを押す。

梅雨李は怒りとも哀しみとも取れない表情で、俺を見ている。
俺は繰り返し、心の中だけで、懺悔する。

ごめんね、梅雨李。
二人の為、君の為なんだよ。

三件中、二件は莉世。
一件は「あの男」。

あいつ。
そう。最も邪魔で、許し難いあいつ。
だけど今は、問題ではない。

それよりも、莉世。
莉世………は、邪魔ではない。邪魔では「なかった」。

今までの生活なら、今までの俺達なら、どちらかと言えば、彼女は必要な存在だった。

莉世の底抜けの明るさに、幾度となく救われてきたのは事実だ。
何よりも、梅雨李にとっての一番の親友。
彼女の存在が、梅雨李の中でどれだけ大きいかなんて、考えても途方がない。