僕の可愛いお姫様

「必要無いなんて、どうしてそういう事が言えるの!?
親友でしょ?ずっとずっと…なのに…なんで…。

ねぇっ…本当にどうしちゃったの…おかしいよ…。

こんな生活、直ぐに破綻するに決まってる。こんな事がバレたら、追い込まれるのはあなたなんだよ!?

お願い…もう…。」

「どうもしてない。」

言い終わるかどうかを待たずに、俺は返した。
冷静に。静かに。

そんな俺の声に、梅雨李は僅かに怯えを見せた。

「どうもしてないよ、梅雨李。
ずっとこうしたかった。だからした。それだけだ。

『親友』。それがどうしたって?奴らに何が出来る?
何があったって、梅雨李の一番の味方でいられるのは俺だけだ。

追い込まれる?公の機関か何かの話?
そんなものに怯えてる人間が、人を愛せるか。」

梅雨李は目を泳がせるだけで、何も反論してこない。
彼女は賢い。
彼女が思うよりも、他人が思うよりもずっと。