僕の可愛いお姫様

彼女に近付いて、眠る瞼にそっとキスをする。

「……み、…。」

何かを呟いてモゾモゾした後に、梅雨李はパッと目を開けた。
二度、三度、瞬きを繰り返して、漸く状況を把握したようだ。

ガシャンッと壮大な音を立てて、起こした躰を、俺から距離を置いた。
、と言っても、そんなに取れる程の広さは、この部屋には無い。

「おはよう、梅雨李。」

「………。」

応えない梅雨李に、俺はお構いなしに続けて言った。

「今日は少し出掛けてくるよ。
食糧も補充しないといけないからね。

でも、君を一人にしておくのは心配だから、なるべく早く帰るよ。そうだな…二、三時間くらいかな。

何も心配しないで、良い子に待っててね。」