僕の可愛いお姫様

掛け時計を見れば、十時になろうとしていた。
大学の講義に出る「つもり」だったら、とっくに遅刻している。

今の俺達にはそんな事はもうどうでもいい話だけど。
必要の無い、過去の話。

どれだけ勉強が出来たって、どんなに良い会社に就職したからって、君が居ない世界では生きていけやしない。

君さえ居れば何も要らない。
そう思わせる君は、もう俺にとって、麻薬でしかない。

「依存」。
理由なんて解らない。
抜け出す術も無い。
だけどこのままこうしていれば、何もかもが、もうそれで良いと思えてくる。

君さえ居れば、何も、要らない。