僕の可愛いお姫様

パッと掌を梅雨李の口から離す。

「…っ…う…うぇ…あぁ…あ…う………っ…。」

梅雨李は嗚咽の様にゲホゲホと咳き込みながら、口内からボトリと鍵を落とす。

息が荒い彼女の背中をさすってやる。
パニックに陥っているのか、彼女は酷く咳き込んでいる。

あぁ…こんなつもりじゃなかったのにな、と、罪悪感が躰中を支配していた。

証明したかっただけだ。
一生梅雨李から離れるつもりは無い、と。

「冗談だよ、梅雨李。
うーん…と…さすがにやり過ぎちゃったかな…ごめんね。

手錠で二人繋がれたままだと、『梅雨李の為』の行動も制限されちゃうしね。
そこまではしないよ。

ごめんね、一緒になれなくて。」


頭を抱えてうずくまる梅雨李に、手首が引っ張られて、キリキリと痛んだ。