僕の可愛いお姫様

躰を起こして、次に梅雨李の手首を掴む。
静寂の中で、彼女と俺の息遣いだけが、確かな物だった。

「安心して。」

静かに、そう言った。
梅雨李の瞳が揺れた。

カチン、と再び鳴る金属の音。
それとほぼ同時に二度鳴る鍵の音。

カチン、カチン………。

「君を独りには決してしない。」