僕の可愛いお姫様

「梅雨李、待たせちゃってごめんね。」

グラタン皿とスプーンを持ってリビングに戻る。
俺が入った瞬間、梅雨李は何やらジタバタと「もがいて」いた。

チラリと彼女を見て直ぐに目を逸らし、テーブルを梅雨李の方に寄せながら、言った。

「何を、していたの?」

「………。」

梅雨李は何も答えない。
彼女にそっと、手を伸ばす。
案の定、ビクリと躰を震わせる彼女。

片方の手首を掴み、自分の方へ寄せる。
梅雨李は再びジタバタと躰を動かした。
…が、全然駄目だ。
どんなに嫌がっても、梅雨李の、いや、女の力に俺が負けるわけがない。

グッとより強く手首を掴んだ。
梅雨李はギュッと目を閉じて、俯いた。

やっぱり…ね。
思った通り。