僕の可愛いお姫様

さて、どうしようかと考える。
料理なんて滅多にしない。
「グラタン」と自然に出てきたのは、ホワイトソースの買い置きがあったからで、普段料理をしない分、冷蔵庫の中だって、食糧は期待出来ない。

買いに行こうか、とも考えた。
しかし…梅雨李とこうなって、初めての夜だ。
慣れない生活の中で、彼女に不安は与えたくなかった。

それに彼女から目を離している間の対策だってまだ考えていない。
梅雨李は梅雨李が自分で思っているよりもずっと賢い人間だ。
だから馬鹿な行動はしないだろうが、頭を使って今の状況を変える対策は練るかもしれない。

少なくとも梅雨李が今の状況に「まだ」良くは思っていない事くらいは解っている。

スタンガン、とも思った。
目を離さなければいけない時にはスタンガンを使う事、そしてその「代償」を。
考えてみても、すぐに答えが出る話じゃない。

色々と考えてはみたが、とにかく今は初めての夜だ。
あり合わせで済ませようと決めた。

グラタンのホワイトソースには、マカロニが付属されている事は知っていた。
…しょうがない。
今日だけはひもじい思いをさせるけど。