僕の可愛いお姫様

「お腹空いたでしょ。
今夜は冷えるから、温かい物にしようね。グラタンなんてどうかな?」

応えない姿に同意とみなして俺は立ち上がった。
傍にあったカーディガンを羽織って、もう一度梅雨李に目を向ける。

カーディガンを羽織ろう、と決めたぐらいだ。
今夜は部屋に居ても、本当に冷える。

凍える梅雨李なんて、見たくない。
再度腰を下ろして、梅雨李の傍に落ちた毛布を彼女にかける。

反応は、無い。

反抗なのか、違う意味を現しているのかも解らない梅雨李の姿は意地らしくもあった。
「恋人を」というよりも「子供をあやす」様な感じで俺は梅雨李に接していた。