ふと見遣った棚の上の写真立てが目に留まる。
その写真の中では四人の人間が笑っている。
梅雨李の文字でそれぞれの頭の上に、名前が書いてある。
泉、瑞穂、莉世。
自分にだけ名前を書き忘れているところが梅雨李らしい。
その頭の上には何て書こう。
「…姫。」
自身の呟きに、自分で失笑する。
なんて幼稚で、そして率直なネーミングセンスだろう。
写真立ての中の写真はぐしゃぐしゃだった。
幾つもの線が被写体の上だろうがお構いなしに重なり、写真の端々は擦り切れ、破けている箇所もある。
そうした犯人は、俺だ。
写真の中で笑う親友達を慈しみ、そして憎んだ。
何度も何度も繰り返し憎み、そのたびにボロボロになっていく写真に罪悪感を抱いては写真立ての中に戻し、そしてまた繰り返し憎む。
その写真の中では四人の人間が笑っている。
梅雨李の文字でそれぞれの頭の上に、名前が書いてある。
泉、瑞穂、莉世。
自分にだけ名前を書き忘れているところが梅雨李らしい。
その頭の上には何て書こう。
「…姫。」
自身の呟きに、自分で失笑する。
なんて幼稚で、そして率直なネーミングセンスだろう。
写真立ての中の写真はぐしゃぐしゃだった。
幾つもの線が被写体の上だろうがお構いなしに重なり、写真の端々は擦り切れ、破けている箇所もある。
そうした犯人は、俺だ。
写真の中で笑う親友達を慈しみ、そして憎んだ。
何度も何度も繰り返し憎み、そのたびにボロボロになっていく写真に罪悪感を抱いては写真立ての中に戻し、そしてまた繰り返し憎む。



