僕の可愛いお姫様

正直に言って、驚いた。
梅雨李がこんなに感情的になっているのを見るのは初めてだった。

今は、梅雨李に触れてはいけない気がして、少し距離を置いて、彼女を見る。

「ごめんね。俺は優しくしたつもりじゃないし、あぁ、いや…勿論梅雨李には優しくしたいと思っているよ。
でもね、そうしたからってソレを引け散らかすつもりは毛頭無い。

ただ…梅雨李に今こうした状況を強いているのは『俺の事情』だ。
だからせめて、ひもじい思いはして欲しくなかったんだ。」

ベラベラ喋るな、と思った。
いつもならこんなに「自分の事」を喋る事なんて無い。
それなのに今日はヤケに口が動く。

これもまた、「高揚感」が、そうさせているのだろうか。