僕の可愛いお姫様

「ごめんね。一人ぼっちにしていたね。」

そっと触れれば、梅雨李がビクリと躰を震わせた。

「寒い?」

「…そういう問題じゃない。」

相変わらずキッと鋭い目をして、静かに俺を見ている。

「そんな目しないでよ。
えーっとじゃあ………あぁ、そうか、その毛布、気に入らなかった?
しまったな。やっぱり梅雨李用に新しいの、買っておくべきだった。」

俺は梅雨李にかけておいた毛布を指さした。
いつも自分が使っている、何の変哲もないただの毛布だ。
気に入らなかったのだろうか。

梅雨李の表情が変わる事はなかった。

「っ…そうじゃなくてっ…!ていうか、『こんな事』しておいて毛布って…ズレてるとかって問題じゃないでしょう?
優しいふりして『コレ』を正当化するつもり!?」