僕の可愛いお姫様

「み……ーーー……み…ーーー…ねぇっ!!!」

「………!!!」

ビクッと躰が跳ねたのが、自分でも分かった。
繰り返し名前を呼ばれていた。
夢の中の事だと思っていたのに、どうやら現実だったらしい。

呼んだであろう主に目を向ければ、睨み付ける様にして俺を見ていた。
君がこの名前を呼んでくれるのなら、ずっと寝たふりしていれば良かったな、と後悔した。

少しだけ休むつもりだったのに、本格的に眠っていたらしい。
カーテンを開けなくても分かる。
もう夜だ。

ソファの傍のランプを点けて、梅雨李に近付いた。
同じ高さに腰を下ろす。