そうだったの……。とにかく精いっぱいやってみよう。

 二人の目が合い、子爵がかすかに微笑んだ。

「ありがとうございます。一生懸命努めます」

 ふいに彼が握手を求めるように手を差し出してきた。ローズがおずおずと手を伸ばすと、子爵はその手をぐっと強く握った。


 執事から使うよう案内された部屋は、ローズがはじめて見るような立派な部屋だった。

 憧れの天蓋付きの寝台のある寝室だ。窓にはカーテンがかかっている。疲れていたローズは、夕食後早々に部屋に引きあげた。

 いよいよ新しいスタートだわ。マーガレット様と仲よくやっていけるといいけれど。