「でも……」

「今日ウェスターの教会に告示を出した。二週間後に、向こうで式をあげるよ。君の伯父さん達にも来てもらうといいね」

 ローズがびくっと身体を強張らせるのを見て、眉をひそめる。

「何か問題でも?」

「式って、結婚式……?」

「葬式にはならないと思うけどね」

 皮肉に答えたエヴァンに、ローズは微笑んだ。

 だがまだ、ためらいがその瞳に揺れている。今度こそすべて話して納得させなければならない。

 彼はローズの手を取って椅子から立ち上がらせ、そのまま窓辺に導いた。

「それでローズマリー、結婚してくれるんだろう? 今度こそ間違いなく」

 見おろす視線が痛いほどだった。もう一度聞けると思わなかった彼のプロポーズに、胸がいっぱいになって涙が出そうになる。

「まだ何か引っかかっているのかい?」

「本当にわたしなんかで……いいんでしょうか?」