それに引き換え自分はどうだったろう……。
初めての社交界のきらびやかさに目まいを感じ、完全に自信を失くしてしまっただけ。
もう自分を誤魔化すことはできなかった。あのパーティの夜、せめて自分にもう少し勇気があったら……。いくら事情が何も分からなかったにせよ、その日まで自分のために彼がしてくれたことを思い、彼を信じ、彼が会いに来るまで屋敷に踏みとどまっていられたら。
けれど、あの時それができなかったばかりではない。
それにもまして、今度の拒絶は更に酷かったのではないだろうか。
一年もかけて、こんな自分を探し出し、もう一度手を差し伸べてくれたのに、その手を自分はあんなにも手酷く振り払ってしまった。
もう今更、挽回の余地などあるはずがない……。
