見つめるエヴァンの目に、暗い炎がゆらめいた。

 ゆっくりと彼の顔が近づいてくる。思わず目を閉じたとき、そっと唇が重なった。

 彼の唇は最初は優しく、次第にまるで彼女を自分の一部にしてしまいたいとでも言うかのように、深く熱く求めてくる。

 彼の今日までの思いの丈すべてを込めたような、長く激しい口づけに酔い、ローズは気が遠くなりそうだった。

 キスを続けながら、肩から腕へと辿っていく彼の手が震えているような気がするのは、彼女自身も震えているからだろうか。

 無言のまま感嘆の吐息を漏らし、エヴァンはとうとうローズを抱き上げた。

 はっとして身をこわばらせた彼女を、大きな天蓋付きの美しいベッドに運んでいく。

 シルクのシーツの上にローズを横たえると、震えている彼女の顔を上げさせ、そっと覗き込んだ。


「愛してる……。愛しているよ。ああ、なんてきれいなんだ」

 たまらないとばかりに、そう呟くと、顔中にキスの雨を降らせる。