「だけど、しばらく経っても連絡一つ来ない。それで、焦り始めた。腕利きと評判の探偵と弁護士を何人か雇って、君の行方を探させたんだ。毎日君のことが心配で何も手につかず、気が変になりそうだったよ。まるで地獄だったな……」
彼の長い指が、そっとローズの金髪を少し巻き取り、そのまま口元へ持っていく。もう一度深いため息をついて言葉を続けた。
「その後、君を忘れようといろいろやって見た。空しく時間を浪費してね。だけど……だめだった。全然だめだったんだ。だから君を憎もうとさえしたよ。それでもまだ探し続けている自分にも、愛想が尽きる思いだったな」
彼は自嘲するように目を閉じて天井を見あげ、かすかな笑い声をあげた。
ローズは、初めて聞く彼の深い思いに驚き、胸が衝かれた。
この一年、苦しんできたのは自分だけではなかったのだ。いや、むしろ彼の方がずっと苦しんでいたのかもしれない。
エヴァンの疲れた顔に浮かんだ苦悩を目の当たりにし、目頭が熱くなってくるのを感じた。
