これなら今日のパーティで注目の的になるに違いない。

 しっかりするんだ。今日の成功に二人の未来が懸かっているのだから。

 子爵はひそかに自分を叱咤しながら、ローズに右手を差し出した。彼女がおずおずと手を重ねてくると、その手に優しく口づける。

「それじゃ、行こうか」

 安心させるように微笑みかけるエヴァンと並んで部屋を出たとき、ローズは緊張のあまり声も出ないほどだった。