絶望の淵でぱっと開かれた目も眩むような喜びに、ただ舞い上がり圧倒されながらローズは夢中で答えた。
エヴァンが目を閉じ、つぶやくように感謝の祈りを口にする。
まぶしいほどの笑顔でもう一度きつく抱きしめられ、ローズは激しい歓喜に包まれた。
「ただし、今の君じゃ、少し役不足だな」
有頂天になったローズに、エヴァンは片目を閉じて冗談ぽく釘を刺す。
「明日からしごくよ。その時になってやっぱり取り消すといっても、もう手遅れだからね」
「え? それはどういう意味……?」
「明日になればわかるさ。楽しみにしておいで」
