ウェスターフィールド子爵の憂鬱な聖夜


「ローズマリー、ぼくを愛してる?」

 彼女を抱き寄せたまま、切羽詰まった声が耳元で問いかけた。

 その声に込もったただならぬ気配を感じ、ローズはもがくのをやめて彼を見上げた。

 エヴァンはこれまで彼女が見たこともない表情を浮かべていた。

 瞳は黒と見間違うほど真剣味を帯び、そこに宿った感情の激しさに、思わず身震いしてしまう。

「ええ、……愛しています」

 とうとう言ってしまった! もうあと戻りできない言葉!

 そう告げた途端、回された腕に更に力がこもり、乱暴に唇を塞がれていた。激しく熱いキスに夢中で応えながら、身体がとろけそうになったとき、ほっとしたような深いため息が聞こえた。

「やっと言ってくれたね……」

「えっ?」

「ここまでしないと、君から本心を聞くのは難しいんだな。本当にやきもきさせられるよ」