そのアオに向かってあたしは睨みつける。
…また、余計な時に来た。
でも、今更ながらに思った。
ここがアオの教室だって事。
「俺がなにって、聞いてんだけど」
シンと静まり返った教室にアオだけの声が通り過ぎる。
アオは女達を見た後、すぐにあたしを見下ろす。
…何か、言えよ、若菜。
アオの瞳がそう言ってるみたいで、
「関係ないよ」
そう思わず声を吐き出してた。
「つか、俺が一番関係ねぇんだけど。何で俺の話が出てる訳?」
「さぁ…あたしに聞かないでよ」
アオから視線を逸らすと、目の前の女達はバツが悪そうにそれぞれ視線を違う方向に向ける。
「おい、聞いてんだろーが!」
「…仲良さそうって言ってただけだから」
さっきとは打って変わって、言葉の喋り方を変える女にウンザリする。
いい男の前じゃ、これか。
「だったら何?つか、元はと言うと、若菜も俺も関係ねぇじゃん。お前じゃねぇのかよ」
そうアオが吐き出した相手。
あたしが打った女でもあるけど、美奈子を打った女でもある。
…アオは何で知ってる?
そう思って、視線を出入り口に向けると、表情を崩した美奈子が居た。



