澄んだ空の下で


「いってーな!!何すんだよ!!」

「ちょ、キミカ大丈夫?」

「ちょっと、アンタ何なの?」

「キミカに謝んなよ!」


この女の周りにいた女達は次々と言葉を出す。

何が、大丈夫なの?…だよ。


だったら美奈子はなんなの?


「言っとくけど、美奈子は悪くないから。アンタの男だよ!!」

「はぁ?」

「男に確認しとけよ」

「…って言うかさぁ、アンタ何様な訳?」


そう言ってきた違う女に視線を送る。


…あ、あぁ…この女。

よりによって、今朝、あたしにアオとの仲を聞いて来た女。


アオの奴、こんな奴らと?


「あたしからすれば、そっちが何様って感じなんだけど?」

「何か偉そうぶっちゃってさ。蒼斗を見方につける気?」

「は?今、関係ないでしょ?」

「あたしからしたら、アンタがムカつくんだよねー!アンタ、親友に男取られたんでしょ?マジ笑けるんだけど!で、蒼斗を道連れにする気?」


どっから情報が舞い込んで来たのかも分かんない。

だけど、情報ってもんは早く、いつの間にか誰かの耳に伝わるもの。


…なんで、そこにアオが入る訳?


「アオは関係ないでしょ?」

「あーあ、アオとか呼んじゃってさ。マジ仲良しって感じ!それが一番ムカツク――…」

「俺が、なに?」


スッと耳に入ってきた低い声に視線を向けると、何だか面倒臭そうにアオが立っていた。