「えっ、ちょっ…お姉ちゃん!?」
「おい、若菜どした?」
「ご、ごめんアオ。そー言う事だから切るね!」
「え、あっ、おい若菜っ!」
そのままプツリと切ってすぐ、あたしはしゃがみこんでいるお姉ちゃんの背中を擦った。
「どうしたの?」
「…大丈夫」
「大丈夫じゃないじゃん。病院行ったほうがいいよ」
「大丈夫よ。ちょっと安静にしてると良くなるよ」
そう言ったお姉ちゃんだけど、その体調の変化にあたしは無理矢理病院へ連れて行った。
着くとすぐにお姉ちゃんは安静だと言われ、ベッドに寝転ぶ姿をボンヤリと見てた。
刻々と過ぎて行く時間。
いつの間にか眠っているお姉ちゃんのベッドを台に少しだけ仮眠をしてしまった。
まだ眠気がスッキリしないあたしの耳に微かに聞こえる振動の音。
鞄の中に入っているスマホを取り出し画面を見た瞬間、ドクンと変な胸騒ぎがした。
…麗美さん。
なんで麗美さんなんだろうと思った。
麗美さんとの約束なんて何もない。
だけど鳴り続ける電話に首を傾げながら通話ボタンに触れた。



