無理矢理乗せられた車のドアがバタンと閉まる。
「で?」
そう切り出された恭の言葉に首を傾げた。
「はい?」
「はい?じゃねーし!さっきの続き」
「ってか、なんでココな訳?」
「誰かに見られんだろ」
「あぁ、そうだよね。アンタが揉め合ってる所なんて見られたらみっともないもんね」
思わずフっと馬鹿らしく鼻で笑ってみた。
その直後、呆れた恭のため息が降り注ぐ。
「俺じゃねーよ、お前だろ?」
「え?」
「俺はそんなもん気にしねーけど、困るのはお前だろうが。現に俺の所為でいっぱい災難抱え込みやがって」
「……」
「マジで学習能力ゼロか。俺の事より自分の事心配しろ」
「…それって心配してくれてんの?…って言うか、ほんと訳分かんないんだけど」
「は?」
「会わない方がいいって言ったの、そっちじゃん」
「今日は仕方ねーだろ、」
「なのに美奈子には“よろしく”って言ってみたり、そんな優しい言葉かけといて他の女にはなれなれしいってどーなのよ…」
「それって、さっきの事か?」
「……」
つい、黙ってしまった。
まさしく図星だと分かるくらいに、“そうだよ”って言えなかった。
…なんで、こんな事が気になってんの、あたし。



