「そんな泣きそうな顔して帰らせる訳にもいけねーだろ」
「別に泣いてないし」
「泣いてるとは言ってねーよ。泣きそうっつってんの」
「泣きそうにもなってない」
「あぁ、そうかよ。で、ほかに言う事は?」
「そんな事…いっぱいありすぎて分かんない」
「そんなあんのかよ、」
はぁ。と恭のため息が降り注ぐ。
だって、ほんとにほんとにいっぱいあって、何から聞けばいいのとか、どれから解決していったらいいのか分かんない。
恭からしたら全てがどうでもいい事かも知れないけど、あたしにとってら全てが大切な事ばかり。
「…勝手すぎるよ」
「は?」
ポツリと呟いた言葉に恭の素っ気ない言葉が返る。
「自分勝手」
「あ?お前誰の事言ってんの?」
「誰って恭しか居ないでしょ?」
「あぁ!?つか、ちょっと来い」
再びグッと引かれた腕。
グランと揺れた身体が、必然的に動き出す。
「ちょ、なに?なんなの?」
「なんなの?って、こっちが何だっつー話しだけど」
「…ちょっ、」
連れて行かれるままに辿り着いた場所は見覚えのある恭の車だった。



