「だから用事」
「は?お前から呼び出したんだろーが」
「だから今思い出して。だから若菜ちゃんよろしく」
「意味わかんねーんだけど」
「一人で帰らせたら危ねーからな。さっきも絡まれてたし…って事でじゃーな」
ヒラヒラと手をさせたセナさんはあたしを見て一瞬だけ口角を上げた。
え、ちょっと待ってよセナさん。
と言う言葉さえ出ず、あたしはセナさんの背中に眉を寄せた。
みんな、なんなの。
千沙さんもセナさんも、あたしと恭を近づけさせる。
ハッキリ言って、迷惑なんだけど――…
でも、あたしのモヤモヤとした気持ちは何でか知らないけど治まらなかった。
「…お前、」
不意に聞こえた恭の声にゆっくりと視線を向ける。
「え?」
「学習能力ゼロか、お前は」
「はい?」
「チンタラ歩いてるからそんな事になんだよ」
「はぁ!?」
「前の男か知らねーけど、浮かれすぎ」
「はぁ?別に浮かれてなんか、」
そもそも何で恭が知ってんのよ!



