「だから悪いな」
グッとセナさんに腕を引かれた。
身体が必然的に動き出し、思わずあたしはセナさんの掴んでた腕を掴んだ。
「ちょ、セナさん?」
「静かに、聞こえんだろ、あの男に」
そう言ったセナさんは恭の居る方向に足を進める。
「え、ちょっと…」
困るって、そんな…
そのセナさんの行動の所為でレオの事なんて忘れてた。
むしろ助かった。と、言いたいところだけど。
「んー、ここまで来れば大丈夫かな」
セナさんはさっきまで居たあたし達の場所を遠くから見つめる。
「え、ちょ…セナさん?」
「うん?」
「うん?じゃないですよ!」
「あぁ…なに?」
「何って…」
セナさんは焦ってるあたしなど気にせず、まだ辺りを見渡してた。
「つか俺、いけねー事したかもな」
「はい?」
「恭と俺、約束してたんだよなー…」
「はぁ…」
「また怒ってんだろーな」
「え?」
セナさんはまだもう少し離れた所にいる恭に視線を送った。



