「あー…そだ。俺、学校行くからな」
「えっ!?そうなの?」
「あぁ」
「おじさん大丈夫?」
「もうすぐ退院するってさ」
「そっか、良かったね。学校も辞めちゃうんだと思ってた」
「そのつもりだったんだけどなぁー…」
「え、なに?」
「美奈子ちゃんがさ、若菜を置いて勝手に辞めるなって…」
「え?」
「俺の所為で色んな奴に文句言われてんのに、関係ないって顔して辞めんなって…」
苦笑いのアオは髪を乱暴に掻き乱し、ベンチに深く座りなおした。
「そう…なんだ」
「うん、だから考え直したっつーか…」
「別にあたしは平気だよ、慣れてるからね。アオの女ったらしには」
「おい、それ違くね?」
「さぁー…。で、千沙さんには会った?」
突然名前を出した所為か、アオは一瞬顔を顰める。
余計な事を言ったかも、と思ったあたしは顔を俯けた瞬間、
「あぁ。つか、俺の事はどーでもいいから」
アオは触れてほしくない言い方をした。



