歩いて行った所為で時間が少し掛ってしまった。
着くと既に店の前でセナさんが待ち構えてた。
「すみません、待たせてしまって」
「いや、いいよ。元気してた?」
「あ、まぁ…」
「なに、その曖昧な呟き」
「いえ…」
笑いながらセナさんは店の中に入り、あたしも続いて後を追った。
飲み物を注文してすぐ、セナさんは、
「で?」
話を切りだす。
「だから…アオにバレてしまって…」
「うん」
「…うんって、」
それだけ?
「千沙に会った?」
「はい…」
「で、偶然恭も来て…その帰りに見られてたんですよね、アオに」
「つかアイツは病院で何してたわけ?」
「お父さんが入院してるみたいで…」
「あー…なるほど」
「どうしたらいいと思います?」
ほんとに、ほんとにどうしたらいいか分んなかった。
だから思わずそう言ったのに、セナさんは考えるそぶりなど何ひとつなく、あたしを茫然と見つめてた。



