だからって、会いたいなんて思わない。
あんな風に態度を変えてあたしに接した事が最低だよ。
あれが、嘘だとしても…
でも、そうじゃなくてもあたしは恭を叩いた。
だから尚更会えないよ…
それこそ、今更じゃん…
だけど、
「あの…恭に何があったんですか?」
やっぱし、気になって仕方がないよ。
「何って言われると、何て言ったらいいか分んないよ…」
「そ…ですよね。あの、恭のお母さんって、」
「居るよ」
「え、亡くなったんじゃ…」
だって、美奈子が言ってなかったっけ?
恭が…恭が殺したって…
「でも、本当の母じゃないの。それも3、4年前からね」
「再婚って事ですか?」
「うん。実のお母さんは事故で亡くなってる」
「事故…」
「もしかして勘違いしてる?」
「え?」
「変な噂で…って、やっぱりそうなんだ」
あたしの顔の表情を読み取ったかの様に千沙さんは口を開く。



