「あたしと恭は小さい時から家が隣同士で同級生だったの。でも、あたしが中学入って少ししてからね引越しちゃって…」
「……」
「恭って、あんな感じでしょ？」
「あんな感じとは？」
「かけ離れてるって言うか、他人とは違う？みたいな…」
「はぁ…」
「皆が恐れている？みたいな。でも本当は違うんだよ？」
「……」
「まぁ、だから…なんて言うか、好きな人が恭にしたら、みんな文句すら言わないだろうって…陰で言われても面と向かって言ってくる人は居ないだろうって…」
「……」
「だから恭に頼んだの。蒼斗と簡単に別れられる方法は恭と居ることだって…」
「……っ、」
「最低だとか思ったでしょ？」
千沙さんの物凄い力がこもった視線があたしに突き刺さる…
なんで、そんな…
「最低かどうかは千沙さんが分かってるんじゃないんですか？アオの気持ちを考えた事ありますか？」
アオはあたしを利用してたって言ってた。
でも、違うってそう思った。
今、千沙さんと出会ってそう思ったんだ。
アオはずっとずっと苦しんでた。
だからあたしと居ることで過去を消そうとしてた。
でも、それってどうなの？
アオは恭を嫌ってるんだ。
でも、それって恭が悪いんじゃないでしょ？
恭がアオの彼女…千沙さんを奪ったなんて嘘なんだから。
