澄んだ空の下で


「えっと…」


もう既に話の内容を分かっているかのように千沙さんはフッ切ったように深呼吸をした。


「あたしの事、なんで知ってるの?」

「セナさんに聞きました」

「あー…セナちゃんかぁー」


千沙さんはフッと笑った。

セナさんの事をちゃん付けで言った千沙さんは、どう言う関係なんだろうか。

そして、アオとも、恭とも。


「でも、千沙さんと皆がどー言う関係なのかも知りません。ただ、ここに行けとセナさんが教えてくれました」

「そっか…あたしの事、知らないんだ」

「はい」

「で、何があったか聞きに来たわけ?」

「はい」

「で、それを聞いて最低とか思っちゃうんだ」

「…え?」

「悪いけど、あたしがした事に後悔はないから」

「それはどー言う意味ですか?…アオと恭は今、絶縁状態です。それに関係があるのですか?」


言った瞬間、千沙さんは視線を落とす。

そして千沙さんは呟く様に口を開いた。


「あたしは蒼斗の彼女だよ。…前のね」


心臓がバクバクした。

どうしようもないくらいに心臓が壊れそうだった。


…千沙さんがアオの彼女だったの?


じゃ、恭が奪ったって言う…



嘘でしょ?