「こんなチャンス勿体ないよ」
「勿体ないって…」
「この人達は格別なんだからね!」
「はぁ…」
何が?と、思いながら麗美さんに呆気にとられていた。
何だか上手い事、流されている様な気がする…
「だから行くよ!」
「はい?」
「行くから着替えて」
「えっ、今からですか?」
「今なら会ってくれるって言ってるから」
「え、えー…ちょっと、さすがに急すぎません?」
「急だからいいんでしょ?ラッキーじゃん」
「意味分かんないです」
「早く!若菜ちゃん早く!」
グイグイ腕を引っ張られ、思うがままに、あたしは服に着替える。
さすがに行きたくない。
だって会った事もないのに突然行って、恭の事を聞くなんて出来やしない。
麗美さんが居たとしても、そんな事聞きづらい。
今から会う人は恭の一番のツレだと言っていた。
昔からの恭を知ってる人みたいで。
歳は21歳。
麗美さんと同じ歳の人だと言う。



